100年以上の歴史を誇る吉野石膏は、何を強みとして、どのような戦略で今日に至っているのか?そして80%もの製品シェアを誇る「タイガーボード」とは何か?など、ここでは、まず皆さんに知っていただきたい吉野石膏の基本をまとめています。

開拓の歴史とシェアNO.1 100年以上の歴史を誇る業界のトップカンパニー

 吉野石膏の創業は1901(明治34)年。山形県の吉野鉱山における石膏原石の採掘が始まりです。そして、わが国初の石膏ボードである「タイガーボード」が生まれたのが1922(大正11)年。当時から現在まで、常にトップカンパニーとして業界を牽引してきました。  また、1948年には石膏ボード製造の技術を同業他社に公開指導、1950年代から同業他社とのM&Aや合併事業を手がけ、各地に工場を建設し成長を遂げてきました。


創業社長 須藤永次氏  天日乾燥

 好不況が繰り返される社会の変化への対応には、吉野石膏としてもまさに荒波を乗り越えるような努力を積み重ねてきており、その結果として、いつの時代も変わることなく、圧倒的な製品シェアを誇っています。何よりも重要なのは、お客様のニーズに柔軟かつ迅速に対応すること。そのため、吉野石膏では市場に近い場所に生産工場を保有しています。2008年4月には、最新鋭の技術を投入した世界屈指の生産性を誇る「千葉第三工場」を稼働させました。

市場と製品 徹底したリサイクルを実現する石膏ボード

 吉野石膏は我が国の石膏ボード業界の草分けとして、石膏一筋に歩んできました。石膏ボードとは、石膏を芯とし、両面を紙でサンドイッチした板状の建材製品で、市場規模は年間1,500億円を越えます。

 石膏ボードはリサイクル性が高く、環境にやさしい製品です。原料の内、約半分は電力会社や金属精錬所などから出る副産物「副生石膏」を再利用しています。他にも建築現場で切断され排出される石膏ボードの端材を回収し再利用したり、石膏ボードを挟み込む原紙についてもほぼ100%古紙を利用したりと、徹底したリサイクルを実現しているのです。また、製造用水なども100%循環させ、雨水以外は工場外へ一切排水しておりません。このように原料から製造まで、環境を常に意識したものづくりが吉野石膏の伝統です。石膏は元々無害である上、粉塵に関しても体内に入っても溶け、すべて体外へ排出することができるので、体にやさしい職場環境とも言えるでしょう。

独自の経営スタイル 資金調達の必要がない、健全経営を実践

 株式公開や上場するメリットの大きな魅力は、金融市場から資金調達ができる点にあるのですが、吉野石膏にはその必要がありません。多角経営をしないわけではありませんが、基本的に石膏ボード一筋でやっており、たとえばバブル期にも安易な不動産取引などは一切行いませんでした。このように堅実な経営に徹してきたことで、財務体質は極めて良好でほぼ無借金経営と言っても過言ではありません。工場や機械などの設備投資をする際にも、株式や債券を新たに発行し資金調達を行う必要がないことが、株式公開をしない主な理由です。

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