三河工場 黒住 明晃 些細な気付きを見逃さずに製造工程の改善に尽力

私の仕事 製造現場の微弱な声に耳をすます

 三河工場は、東海4県(愛知県・岐阜県・三重県・静岡県)に北陸地方を加えた広範囲のお客さまへお届けする商品を製造している基幹工場の一つです。そのため、石膏ボードを中心に、多品種小ロット生産──多くの品目を少量ずつ生産するのが特徴で、そういった条件下での高効率・低コストの生産体制確立が大きなテーマとなっています。製造課は、良い品質の製品を安定的に生産するため生産計画をはじめとした生産管理を行うとともに、このテーマ実現に向けて製造工程の改善などに取り組んでいる部署です。ここで私は、天井用化粧石膏ボードの『ジプトーン』の主担当として、日々、製造現場の声に耳を傾けながら課題解決に挑んでいます。

 工場の製造管理といっても、コンピュータ制御された機械がつくるのだから、大きな問題もなく製品はできるものだと思うかもしれません。実は、工場勤務に就くまでは私もそう思っていました。しかし実際は、部品の一部が摩耗したり、ボルトが緩んだだけで、出来上がる製品の品質には微妙な差異が発生します。このような微弱な変化を見逃さないために、自らの目で確かめるのはもとより、現場スタッフからも日々情報を集め、迅速かつ最適な対処を行っていかなければなりません。ところが、最適解を導き出すには、豊富な経験と知識が求められる、とても奥深い仕事です。

仕事の醍醐味 技術改善の成果が数値として見える

 「努力の結果がはっきり目に見える喜び」、この仕事は、それを味わえます。ジプトーンの生産速度を上げたときもそうでした。各工程ごとの生産速度を一つずつ計測して、ボトルネックとなる工程を洗い出し、その原因を特定し改善していったところ、計画通り生産速度が改善されたのです。現在取り組んでいる乾燥工程についても同様です。石膏ボードを効率的に乾燥させるための温度の最適値が分かれば、無駄なエネルギーが削減されてコストも目に見えて減るはずです。
 石膏ボードの生産は、コストを5銭、10銭切り詰めるような世界です。その意識を持って、品質を維持・向上しながら製造コストを削っていくことが、世界で戦える競争力を高めることにつながります。つまり、日々、目に見える結果を出して喜びを感じることを重ねていくことが、世界に発信できる生産力の源になる──とても魅力的だと思いませんか。

学生へのメッセージ 世代間の技術継承を進めたい

 大それた夢かもしれませんが、「KUROZUMI方式」といった自分が携わった新技術や新商品が世の中に広く普及することを目指しています。しかし、これは個人の力だけでは実現できません。チームとしての総合力が高くなければ到達できない貢献だと思います。だからこそ、後輩や若手社員の教育はとても重要だと考えます。先輩方が培ってきた経験に裏付けされた知識を継承し、そこに自分なりの層を重ねて次代へ受け渡していくことが大切なのだと思うのです。私はその架け橋になりたい。また、部署間の垣根を取り払い、社員一人ひとりが、その意識を持つことができれば、技術知識の共有化が進んで、吉野石膏は今以上に競争力のある企業へと変わっていけるはずです。

コラム「ソーラーパーク吉野三河発電所」運転開始

吉野石膏は、環境に優しい企業を目指して、以前よりCO2削減などの企業努力を続けてきました。しかし、東日本大震災を契機に、より一層の環境負荷低減や、お客さまへ製品を安定的に供給する体制を整える必要性を感じ、2012年12月、三河工場内にメガソーラー(大規模太陽光発電所)「ソーラーパーク吉野三河発電所」を設置しました。
 約2万3000uの敷地に設置されたソーラーパネルによって、年間1980MWhを発電。これは一般家庭約400世帯分の年間電力消費量に相当し、年間約900トンのCO2削減効果が期待されます。また、弊社各工場では既に、石炭やバイオマスなど多彩な原料を燃料とする自家発電設備を保有しており、ここにメガソーラーが加わることで、緊急時の電力確保、リスク分散効果も期待できます。

My Private

社員同士の絆の深さ、それも吉野石膏の魅力の一つです。私の同期は、全国各地で働いていて一同に集まる機会は、あまりありません。それでも、電話やメールでお互い連絡を取り合い、近況報告や雑談をしています。ときには励ましあったり、愚痴をこぼしあったりも。私にとって、とても大切な存在です。

本人、前列左から二人目

オートメーション化や高効率化だけでは対応できない「人に根ざした技術力」が吉野の生命線 生産現場からのメッセージ 米澤真二

 当社は、石膏ボード分野で世界トップシェアを誇る海外のメーカーとクロスライセンスを結んでおり、お互いの技術の向上を目的とした技術交流を行っています。世界のトップカンパニーをはじめ、複数の海外メーカーを見てきた経験から感じたこと、それは、日本の、そして吉野石膏の技術力の高さです。いや、日本人技術者の繊細さに裏付けられた技術と言い換えたほうがいいかもしれません。
 海外メーカーは、生産設備の性能に軸足を置いた技術開発が進んでおり、オートメーション化や高効率化といった点で学ぶべきところが多々あると感じています。一方、日本は製造現場で働く技術者個々人が、日々の状況の変化を敏感に感じ取り、改良を加えることで品質を高めるなど、「人に根ざした技術力」をとても大切にしています。

 その結果、海外メーカーの人が驚嘆するほど精緻な製品をつくり上げることができてもいます。この優位性は大切にしていかなければならないというのが、持論です。
 ですから、若手には、どんどん現場へ足を運び、経験も知識も豊富な先輩方と触れ合い、技術を受け継いでもらいたいと考えています。吉野石膏の製造というものを肌で感じ、自分の肥やしにしてほしいと願っています。そのうえで海外の技術に触れれば、見えてくること、気付くことも豊かになるはずです。そのためにも、若い人には知識に貪欲でいてほしい、現場スタッフや先輩方とのコミュニケーションに積極的であってほしいと思います。

ページトップ