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| しかし営業の現場では混乱が起こった。通常の石膏ボードより高価なハイクリーンボードは、さっぱりといってよいほど売れなかった。いくら熱心に営業が商品の特徴や機能の素晴らしさ説いても、反応はなかった。こんなことは、吉野石膏の歴史でもほとんどない出来事だった。 |
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吉野石膏といえば、石膏ボード業界で78%と圧倒的な市場占有率を誇るトップカンパニー。商品はある意味黙っていても売れる。吉野石膏の営業担当がお客様の所へ出向けば、少なくとも門前払いはない。会って話を聞いてくれる。「そんな奢りがあったのではないか」。発売当初の苦労を、相模原営業所の高橋は語る。「我々は、ハイクリンーンボードという、未知の高機能商品を市場に持ち込むことで、初めて営業という仕事の原点を思い知らされた感じがします」。 |
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もちろんこれまでも、吉野石膏の営業担当はただお客様の所へ出向いていたわけではない。そんなことで売れる時代は、とっくの昔に終わりを告げている。問屋や商社、あるいはその先の工務店やハウジングメーカー、ゼネコンの現場が、いかに収益が上がるかに対して、英知を絞った提案を繰り返している。しかし、その市場は先輩方が苦労を重ねながら築き上げてきた、ある意味では確立された市場とも言えた。
ハイクリーンボードは、市場がまったく見えなかった。環境対策された商品ということからも、ターゲットは学校や病院、官公庁、あるいは住宅メーカーがあがっていた。しかし、建設コストをプッシュする製品は、たとえそれが環境改善に効果的な製品であっても、市場は受け入れてくれない。世は、低コスト化時代なのだ。
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