エンジニアリング|機械系の仕事

新工場の生産ライン立ち上げから巨大設備建設、
新製品製造設備まで、生産技術の最前線で、
経験を重ね、設計技術を磨く

梅田 悠平 エンジニアリング部 エンジニアリング課
2014年入社/工学研究科 機械システム工学専攻 修了

私の仕事、苦労と醍醐味

製造設備開発の上流から下流まで、
すべてを担当するがゆえの難しさと面白さ

エンジニアリング部は、吉野石膏のグループ会社を含む全国の工場の製造設備の更新・新設を推進しています。その中で、私が所属するエンジニアリング課は、機械部分の設計・建設を行っています。担当する案件は、主に各工場で対応できない設備の更新や新設です。製造工程の立案から機器図面のCAD設計、予算交渉、仕様決定、外注製作会社の管理、機器設置時の現場工事の立ち合い、試運転による機械の調整まで、製造設備に関わる上流から下流まですべてを見ています。

現在は、インドネシアに建設中の新工場向けの生産ラインのほか、千葉第二工場のせっこうボードのリサイクルライン向けの設備を新規で設計しています。また、2017年に上市して話題となった「タイガーFe(エフイー)ボード」(※)の製造設備の設計も担当しました。このような新製品の開発に関わることができるのも、エンジニアリング部門ならではの仕事の面白さと言えます。

苦労するのは、案件ごとに要求される設備の性能が異なるだけでなく、設置する工場のスペースなどによってサイズも異なるため、すべてオーダーメイドで設計しなければならないことです。コスト制限もある中で最善の設備を実現するため、時には自らの手で材料を切断したり、アーク溶接したりして、機器部品を自作することもあります。同時に、運用後の不具合防止や省メンテナンス化を追求するとともに、現場の方が運用しやすい設備の提供を心掛けなければなりません。このようにさまざまな条件をクリアーして納期に間に合わせるのは常に困難を伴いますが、自分のアイデアを活かしてプロジェクトを完遂できた時は、大きな満足感を得ることができます。※「タイガーFe(エフイー)ボード」表面に鉄粉を塗り込んだせっこうボードで、磁石が付く画期的な製品。学校など教育機関を中心に需要が見込まれています。

学び、今後の目標

現場知識と好奇心を糧に、工場設備全体を見られる人材に

機械設計において重要なスキルは、設計図面の作成です。大学では図面の描き方についての実践的な技能はありませんでしたが、入社後、図面を作成する機会が非常に多く、経験を積むことで学んでいきます。設計には、頭で考えるだけではなく、製造現場や部品の知識が求められます。これらは、工場で製造設備を見たり、現場の方と話したりすることで引き出しを増やすことが重要です。部品の種類や素材など、設計のポイントになる知識をいかに多く持っているかが、良い設計の決め手になるのです。先輩の図面を見ると、自分の知らないさまざまな現場ならではの知識が詰まっていることがわかり、現場を知ることの重要性を改めて認識します。

入社間もない頃は、ただ黙々と図面を描くだけでしたが、今は、自分の作りたい機械をイメージして自分なりのアイデアを盛り込むなど、工夫することができるようになりました。日常生活でも、街の中のあらゆる機械を眺めては「構造や仕組みはどうなっているのだろう」と常に考えているせいか、最近では、ほとんどの機械の設計の仕方が想像できるようになり、我ながら大きな成長を感じています。今後は、図面作成のスピードや質をもっと磨いていきたいと考えています。現在の部署は、全国の工場の生産設備に関する情報に触れることができることが最大のメリットです。将来はさらなる成長を目指し、工場のエンジニアリング部門で、工場全体を広く見ることにより工場運営を学ぶ仕事にチャレンジしてみたいと考えています。

エピソード

入社2年目で任されたビッグプロジェクト

大手メーカーでは、大きな生産設備はプラント会社などに丸ごと発注する会社も多いようですが、当社では機械の製作や施工会社をそれぞれ個別の会社に発注しています。というのも、私たちが直接詳細な打ち合わせや進行管理を行うことにより、コストを削減できるだけではなく、設備をより深く知ることができノウハウを社内に蓄積することができるからです。

私がこれまで手掛けた大きな設備は、入社2年目に担当したグループ会社の(株)ジプテック秋田工場の焼成炉。石膏を焼く窯の老朽化に伴い、これまで3つあった窯を大きな一つの窯に作り替えるもので、当社の焼成炉としては1番大きい設備となりました。設計から完成まで実に1年を要し、予算も数億円というビッグプロジェクトでした。多くの人と金が動く仕事を任され、緊張感を感じたことを覚えています。ちょうど、国のエネルギー政策で天然ガス導入に関する施設の建設への補助金の交付が始まったため、当社でも、燃料を従来の重油から天然ガスに変更することになりました。このため私は、設備の設計だけでなく補助金申請についても担当しました。申請事務についてゼロから勉強し、熱の流れに関する書類をはじめ、必要な書類を整えて無事、数千万円の交付金を受け取ることができました。

実際に、完成した設備を見たとき、「こんなに大きなものを作ったんだ」と言う感動が持てたのも、自分なりに貢献できた部分があったからだと思います。入社間もない時期に、このような大きなプロジェクトに出会えたのは、とても良い経験だったと思います。

1日の仕事の流れ

朝のミーティング

更新する機械の仕様について、設計チームで問題点を討議します。朝から議論が白熱することも多々あります。

CADで設計図面を作成

まだまだ設計は勉強しなければならないことが多いのですが、それでも最近は自分でも納得いく設計ができるようになりました。

電話対応

千葉第二工場に建設している機械について、施工業者から電話。製品の大きさなどについての問い合わせに対応します。

現物の確認

インドネシアの新工場に搬入する、石膏を均一に広げる工程の機械が納品されたので、工場で現物を確認します。人任せにすぜ、必ず自分で確認することが重要です。

My Item

「スマートフォン」スマートフォンは設備の型式番号を調べたり、ジャイロセンサーとして利用したり、メモ代わりのカメラとしても使用するなど、常に手放せない必須アイテムです。

思い出の1枚

「ポリッシャー」製品を運ぶベルトコンベアのゴムベルトの汚れを掃除する「ポリッシャー」。1年目に手掛けた更新案件で、納期管理などに苦労しましたが、最終的にうまく機械を設置することができ、初めての仕事だけに充実感もひとしおでした。

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