東京支店営業1課は、「木建ルート」と呼ばれる、建材代理店経由の販売店を対象に、戸建住宅やアパート・マンション向けの製品を販売しています。営業員それぞれが建材商社や建材問屋など、担当する代理店を持ち、代理店のお客様である建材販売店や工務店などにも営業活動を行っています。業務の中心は販売量管理で、代理店担当者と月ごとの販売計画を立て、代理店と一緒に販売店や工務店をまわり、拡販商品のPRや、製品の質問への対応を行うなど、当社製品の拡販を推進しています。

業務は多忙で、顧客訪問やお客様からの問い合わせ対応、社内での伝票整理や納品管理など、多くの業務をすべて同時に進める、マルチタスクが要求されます。円滑に仕事を進めるためには、お客様や同僚とのコミュニケーションがとても重要で、手を抜くことはできません。そして、お客様から信頼を得るには、自発的な提案も大切で、忙しい中、時間を見つけては企画を考え、お客様を訪問するよう心掛けています。

実は、せっこうボードは住宅やマンションなどの建築に不可欠な建材製品で、国内シェア80％以上を持つ当社製品は、建築需要があれば、ある程度は自然と売ることができます。しかし、現在のシェアは、先輩方の弛まぬ努力よって築かれたもので、シェア向上のためにはさらなる活動が不可欠です。そのために、お客様にはさまざまな提案を行い、当社製品を使っていただけるよう努力をしています。販売店や工務店は、私たちより最終消費者に近い位置にいるので、真摯にその声を聞き、ニーズを取り込めるよう心掛けています。目標達成が、このような努力の結果だと実感できる瞬間が営業の醍醐味といえます。

建材営業には製品や工法に関する正確な知識が不可欠で、基本的にはカタログや施工指導書を見て身に着けています。お客様からの問い合わせにはさまざまな内容があり、私の知識では対応できないこともあります。自分で調べてもわからない時は、上司や先輩に積極的に質問して、お客様にいち早くレスポンスすることを心掛けています。また、実際の施工現場を訪れ、職人の方から直接教えていただくこともあります。「メーカーとして曖昧な返答はできない」という強い責任感を持つことが大切です。

営業担当としての仕事の進め方やお客様との接し方も重要で、これには正解がありません。わからない場合、やり方を誰かに相談することもありますが、それより、上司や先輩の仕事のやり方、お客様とのコミュニケーションの取り方をよく観察し、「良い」と感じたことを取り入れて、自分のスタイルを築いていくことを意識しています。

当社はせっこうボードでは、圧倒的なシェアを誇っています。しかし、住宅着工戸数の減少やドライバー不足など、業界を取り巻く環境は日々変化しているので、市場の変化を的確にとらえ、必要な製品やサービスを提供していかなければなりません。その最前線にいるのが、私たち営業担当です。会社としても新商品の開発に力を入れており、新商品の知識はもちろん、住宅に関わるさまざまな知見を幅広く取り入れ、会社にとっても、お客様にとっても必要とされる営業担当になることが目標です。「吉野石膏＝小泉」、お客様にそう思ってもらいたいです。

入社2年目の時、先輩が長年担当していたお客様を引き継ぎました。引き継ぎのご挨拶にお客様に伺ったとき、次の担当が私のような新人ということで、先方の担当者にとても不安がられてしまいました。ベテランの先輩を信頼していたお客様にとって、駆け出しの私が付いたことで、そう思われても仕方ありません。その悔しい思いをバネに、1年間努力を重ねました。

「上司や先輩に迷惑をかけたくない」、「お客様に一人前の担当と認められたい」──この一心で、製品や建築業界について勉強することはもとより、お客様にも小まめに足を運び、ご相談や課題解決に一生懸命取り組みました。1年経った頃、お客様から上司に、「小泉さんをずっとうちの担当にしてほしい」と言っていただけました。夢中の1年でしたが、お客様からの信頼が得られ、やっと一人前の営業担当になれたことを実感できました。苦労が報われた、記憶に残る一瞬でした。